製造許可付き「シェアキッチン」の使いこなし術

シェアキッチン画像

はじめに

こんにちは。
名古屋市名東区にある
グルテンフリーのお菓子屋「粉粉-konakona-」

です。

今回は、
 『製造許可付きシェアキッチンを利用する
 メリット・デメリットや、
 利用するときに押さえておきたいポイント
について、私の経験を踏まえてお話しますね。

もし、お家の近くに
 「製造許可付きシェアキッチン」
があるようであれば、ぜひ活用してみてください。

そもそも「製造許可付きのシェアキッチン」とは何?

最近では「シェアキッチン」は数多く見られる
ようになってきました。

でも、このシェアキッチン、大きく分けると
 ・パーティ用にキッチン付きのお部屋を
  レンタルしますよ。
  (⇒お菓子の製造許可はおりない)
という物件と
 ・保健所に
  「販売するための食品を製造しても良い」
  という許可を受けているキッチン
の2つに分けられるんですよね。


本来、自分で作ったお菓子を販売する際は、
そのお菓子を製造するためのキッチンを保健所に
見てもらって
 「菓子製造業許可」
を取る必要があります。

でも、個人でこの「菓子製造許可」を取ることは
なかなかハードルが高いので、
 自宅の近くに「製造許可付きシェアキッチン」
 があるなら、ガッツリ活用しよう!
というのが、この記事の目的です。

シェアキッチン メリット・デメリット

シェアキッチンを借りて
お菓子を作って売る。

シェアキッチンのいいところは
「初期投資が不要」だったり
「家賃を払い続けるリスクがない」だったり
安心材料が多い点です。

でも、
「時間制限がある」とか
「毎回、材料や機材を搬出入するがの大変」
とか、デメリットもあります。

まぁ、経験も実績も無い人が、
 いきなり貸店舗かりて動き出す
というリスクを考えたら、
 「搬出入するのが大変」
っていうくらいのデメリットは
仕方がないですよね。

とはいえ、
 「時間制限がある」
というのは、意外と大変なハードルに
なったりします。

何時間借りたらいいの?

まずは自宅で練習しよう

まずは、自宅で一度時間を計りながら
同じ分量を作ってみましょう。

シェアキッチンでは、
 ・家で作るより、慣れないキッチン
 ・材料や道具も、運搬用の箱から出し入れ
  しないといけない分、余計に時間がかかる
といったことを考慮して、30分~1時間くらいは
ちょっと多めに見積もっておくといいです。

それだけじゃない

シェアキッチンでは、
 焼ききって、ぴったり!時間終了
というわけにはいきません。

〇使わせていただいたキッチンの片付け
 ⇒来た時より美しく

片付けはキレイに

〇ラッピングもしなくちゃ!
 ⇒「ラッピング」はどこまでかというと
  個包装して密閉までしたらOK。

密閉まではシェアキッチンで

  密閉したあとの、シールの貼り付けや
  リボン掛けは、自宅でやっても大丈夫です。

  とはいえ、「個包装とシーリング」も
  割と時間がかかりますよね。

リボンやシールは自宅で

話を整理すると。。。

シェアキッチンを何時間借りるのかは
 ・搬入
 ・材料と道具を運搬用BOXから出して
  使いやすく並べる
 ・計量から作業
 ・焼き時間
 ・片付け
 ・冷めるまでの待ち時間
 ・ラッピング時間(袋詰め+シーリング)
 ・搬出
まで考えて、決めます。


・時間に制約があるので、
 作業手順の段取りは、
 予めなるべく具体的に計画を立てておきましょう。

 特に、
  ラッピングは冷めてからじゃないとできない
 ので、冷めにくいものから製造スタートする
 ことを考慮しておきます。

作る種類は欲張りすぎない

・製造するお菓子の種類も、
  5種類までくらいが限界
 です。
 初めてキッチンを借りるときは、
 2種類くらいに絞っておいたほうが無難です。

⇒私は、いきなり5種類以上やって大失敗
 しました。

 自宅で製造するときと全く勝手が違って
 思い通りに作業が進まないんですよね。

 ぜんぜん時間が足りなくなりました。

 その日は、たまたま時間延長できたから
 良かったようなものの、かなり焦って
 精神衛生上、非常によろしくなかった
 ことを憶えています。

大量に作るときに困る天板問題

なるべく効率良く作業を進めたいのですが、
そのときに意外と困るのが
 『天板待ち』
です。

私の借りていたキッチンでは
 2段のオーブン × 2台
で、合計4段もあったのですが。。。

スコーンを4段で焼いている間に、
次の型抜きクッキーを抜いたら
 『並べるべき天板がない!』

私は、自宅では
 2段オーブンに対して、天板は4枚用意
 しておいて、次々焼く
ようにしてたのですが、
 シェアキッチンでは当然、
 オーブンの段数と同じ数しか
 天板がない
というわけで、これもキッチンを借りてみて
はじめて『あぁ、そうか』となったわけです。

自宅の天板を持参しようかとも思いましたが、
シェアキッチンと自宅では、
天板のサイズが違うので無理でした。


天板が無いので、適当なところに型抜き
しておいて、天板が空いたら移すか。。。

でも、型抜きはあまり動かしたくないし、
移し替える時間も手間。

じゃあ、
 ①あまり動かしたくない型抜きクッキー
  を、一番最初に焼く
 ②待ってる間にスコーンを抜く
という感じで、順番を入れ替えても
 クッキーが焼きあがってオーブンが空いても
 すぐに次の天板が入れられない
のは、時間のロスですよね。


そこで編み出した、DIYと言うのも
おこがましい工作を一つ紹介します。

天板待ち時間を減らそう

『取り板』を作るのです。

使う板は、
 プラスチックのペラペラまな板は
 生地の重みにまけてたわむのが怖い

ので、
 ある程度しっかりした
 厚手のダンボールやベニヤ板

がいいですね。

これを、
 天板にのるオーブンシートのサイズ
 より、やや長めにカット

します。
幅はシートと同じでOKです。
⇒長めにカットしないと
 持つ部分がなくなっちゃうのでね

板が用意できたら、
 ・この板にオーブンシートを乗せる
 ・その上に、次に焼きたいものを
  綺麗に並べる
ようにして、オーブンの空き待ちを
しておきます。


オーブンが焼きあがったら、
①天板からケーキクーラーに、
 オーブンシートごとスルーっと滑らせ
 天板を空ける
②準備しておいた『取り板』を天板にのせて、
 端っこからオーブンシートをそっと滑らせ、
 端を合わせるようにして天板にのせます。

 あとは、そーっと取り板を滑らせる
 ように抜いて、シートを天板に着地させる

③そしてすぐオーブンにIN!

時間にしてみたら微々たる差かも
しれないですね。

でも、天板を開けたあとに、
 ・型抜きしたものを崩れないように
  移動させるストレス
 ・天板が空くのを待ってる間、
  時間が空いてソワソワするストレス

が無くなると、気持ち的にもとても楽です。

タイムアタックなのに、何もできない
待ち時間って焦ります。


同じ状況にハマったら、ぜひ試してみてください。

シミュレーションしておこう

私は宇宙兄弟という漫画が大好きで
いつも感動と、勇気をもらっています。

この漫画の中では、
 宇宙飛行士の皆さんの訓練や、
 実際のミッションまでの準備期間
がとてもリアルに描かれています。

あんな頭のいい、器用なエリートの人たちも
何度も何度も本番に向けて
同じ訓練を繰り返して本番に挑むのです。

そこで、私も
 主人公ムッタや美人宇宙飛行士せりかさん
 になったイメージ
で、前日、前々日と準備に必要なものを
一連の動きに沿って見直します。

①メモを作る
②脳内で可能なところは、脳内でシミュレーション
③やってみないと心配なところは、
 実際に作業してみて確認
という①~③の確認を行うことで、
当日はさっさと動けるようにしっかり準備。

それでもやっぱり当日は
思いがけないこともおきます。
(私は焼いてる最中に停電にみまわれました)

慌てることもあります。
(使い慣れないIHで、手間どったりしました)


宇宙飛行士は、『まさかのまさか』まで
訓練するそうです。

さすがにそこまでストイックに
できないとしても、少なくとも
通常パターンのシミュレーションまでは
やっておくことをオススメします。

あと、重くても
 材料は少し多めに用意
しておきましょう。

足りなかったら、
 「買いに行けばいいや」
と言っている時間がないので大変。


私はね。
『卵の黄身』にやられました。

通常の卵の黄身はL玉でもM玉でも
18gなんです。

卵の黄身が36g必要なレシピだったので
2玉で十分ぴったりでした。

「割ったりおとしたり」の保険のつもりで
1玉余分に持っていきました。


実際に卵を割ってみると、
 どうやら若い鶏の卵だったらしく
 黄身が今まで見たことのない小ささ
 ⇒黄身が15gくらいしかない!

正直、焦りました(笑)

そんなこともありますので。