なぜ私がグルテンフリー(米粉の焼き菓子)にたどり着いたのか
はじめに
こんにちは。
名古屋市名東区にある
グルテンフリーのお菓子屋「粉粉-konakona-」
です。
今回は、ショップオーナーの私が、
・なぜ、米粉で作ったグルテンフリーの焼き菓子
にたどり着いたのか。
について、お話しますね。
目次
1.小麦粉への未練と米粉への移行の話
2.すべての流れが米粉に向かってきた話
3.自信はあとからついてくる
4.歩き続けます
1.小麦粉への未練と米粉への移行の話
お菓子作りに罪悪感のようなものを
持つようになって心のブレーキが
かかっていたその頃。。
その分、パン作りにはまっていた時期
でもあったので
・クッキーより断然
「お砂糖」「バター」
が少なくて済む
からとせっせとパンを焼き続けました。
パン作りは楽しいね!
パンを捏ねていると
・最初は、粉がべたべたしたものになり
・さらに捏ねていくと、
つるっともっちりした弾力の生地
へと仕上がっていく
それがとても面白いし、
手触りが気持ちいい
子どもを叱ったりして
とげとげしい気持ちで
捏ね始めていたとしてもね。
生地が捏ねあがるころには
気づけば穏やかな気持ちになっている。
パン作りにはセラピー効果まで
感じていました。
実際、リハビリ的な施設では
そういった効果があるからと
粘土細工などするそうです。
同じことなんだろうな。
2.すべての流れが米粉に向かってきた話
そんな折、
アーユルヴェーダ(インド大陸の伝統的医学)
の脈診をしてもらう機会がありました。
すると、
小麦粉を取りすぎ
と指摘されました。
沖ヨガの先生にも同じような事言われました。
でも表立って病気ってこともないし
日々普通に過ごしてるし・・・
私はみんなから、
お菓子作りやパン作りが好きで教えている人
と見られているから、そう言われるのかな
と心のどこかで思いつつも気になってました。
***
さて、パン屋で働いていると、時々
・甘いパンをたくさん買われる
大柄な方
・毎日パンを数個買う
一人暮らしの年配の方
がいらっしゃいます。
そして、
この方たちに、こんなに売っても
いいのかな
と、ふと思ってしまう自分がどうしても
どこかにいます。
でも、
おいしいと言われたらやっぱり嬉しい
という自分も同時にいます。
2つの自分が、あっちとこっちに
体が半分ずつ左右に引っ張られている
ような感覚です。
これは、家族がバターや砂糖をしっかり使った
クッキーやケーキをもりもり食べている
それを見たときに感じてしまう罪悪感
と同じ感覚でした。
もちろん、
■家族が食べ過ぎるのは、
自分が作り過ぎるのが問題
■お客様がたくさん買われるのは、
お客様の自由意志
なので全く同じではない、、、
のですが、それでもなんだか「おせっかい魂」
が動いてしまうというか(笑)
***
そんな頃に、
思春期の娘の肌荒れがなかなか治らない
ということが起きました。
とっさに、
もしかしてグルテン?
と思いました。
結局は、娘にグルテンアレルギーは無く、
受験などのストレスが原因でしたが。
そんなこんなでグルテンに意識が向いたせいか、
同じタイミングで『腸もみ』の存在を知り、
『腸活』を知りました。
そして、『グルテンフリー』という言葉も
よく聞くようになりました。
小麦粉への未練タラタラな私でしたが、
ここまできてようやく
小麦粉を控えるではなく、一旦やめてみるか~
という気持ちになりました。
これまで、
・パン作りに小麦粉はかかせない
・パン作りも食べるのも好きだし
と、踏ん切りつけれずにいたんですね。
***
米粉でグルテンフリーの焼き菓子。
この当時、存在は知ってましたが
きついアレルギーの方が、
小麦粉の代用で仕方なく召し上がるもの
というイメージでした。
というのも、それまでも『米粉のパン』を
食べたことがあったけれど
パンの代わりに、と思うとやはり違うなぁ
と、あまりしっくりこない感想だったんです。
が、やはり娘のこととなると
少しでも何かしたいと思うのが親心。
米粉のパンにちゃんと向き合おうと
決心しました。
***
そして、改めて再チャレンジしてみると、
数年前に一度試したときよりも米粉の世界が
進化していて、代用ではなく
「米粉のパン」
として、とてもおいしく作れることを知りました。
これは、正直言って、ちょっとした革命でした。
これならイケるんじゃない!?
と、さっそく今まで作っていたお菓子のレシピを、
小麦粉 ⇒ 米粉
に置き換えて作ってみることにしました。
また、過去(2014年末頃)にバターがお店から
パッタリと無くなった「バターショック」の頃、
・オリーブオイルのお菓子
・マクロビを習って菜種油を使ったお菓子
を作ったりしていました。
なので、バターを置き換えることには慣れていて
おいしく作れることも知っていたので、
せっかくならと
『小麦粉 ⇒ 米粉』 に置き換え
『バター ⇒ 菜種油やこめ油』 に置き換え
『グラニュー糖 ⇒ 甜菜オリゴ糖』 に置き換え
で作ってみました。
結果は毎回、思うようになったり、ならなかったり。。。
・米の種類 粉砕方法 吸水率・・・
・色んな種類の製菓用米粉
・ブランドによって全然違う
・そして勝手がわからない
調べれば調べるほど米粉の世界も奥深い
***
それでも、この置き換えで作ったお菓子のお陰で、
家族に安心して味見をしてもらえるようになり、
お菓子を作っている「私の罪悪感」がなくなりました。
そして思いました。
このお菓子なら色んな方に売っても
変な罪悪感持たないでいい!
そして、いろんな人に差し上げて
味見してもらった時の
「え?全然米粉ってわからなかった!」
ってなるときなんか、嬉しいんです。
小麦粉のお菓子はやっぱり魅力的。。。
だけど、
米粉のお菓子にも魅力がある
バターと卵を使ったものもおいしい。。。
だけど、
豆乳やメープルシロップを使ったものも
思いがけないおいしさがある
一つ世界が増えるたびに、喜びを感じました。
***
そんな時期に、
・起業に向けて通い始めた、
名古屋市主催の「起業塾」で
いろいろと考える機会ができたこと
・「腸活」という考え方があると
初めて知ったこと
・コロナで「免疫力アップ」が注目されたこと
と、いろいろなことが重なりました。
そして、
それら全てが、同じ方向を指さしている
そう思いました。
この米粉のお菓子なら、胸をはって、
気持ちよく製造販売できる
と
3.自信はあとからついてくる
正直なところ、
小麦粉でのお菓子なら長年の経験もあり、
ある程度は自信がありました。
でも、
米粉のお菓子の作り方は
わからないことだらけ。
それでも、これまで何人もの方に
召し上がっていただいて
おいしい!
売ればいいのに!
と、小麦粉のお菓子の時と同じ反応を
いただきました。
このことが、
私の心の中心の『自信のろうそく』
に火をつけてくれました。
***
以前、自宅でパンの教室を始める時にも
実感したこと。
それが、
「自信は後からついてくる」
です。
それでも小さな自信がなければ
はじめることも怖い。
そんな、小さな『自信のろうそくの火』を、
たくさんの人に灯していただきました。
4.歩き続けます
今はまだ、すぐに揺らいでしまう
小さな灯(ともしび)だけど
あぶなっかしくても、
時間がかかっても、
少しずつ、理想に向かって、ヨチヨチと
歩きつづけようと思ってます。
ろうそくの灯は
キャンプファイヤーまで
育つ気は今はしないのですが。。。(笑)
「ヨチヨチ歩き」は
「とことこ歩き」くらいには
なる気はします。
たくさんの方に、
『おやつを買う時くらい
気楽に楽しく
裏の表示を見なくても
安心して買ってもらえたらいい』
と思うし、それが
『小麦粉の代用とかじゃなく、
おいしいから買う』
そんなお菓子を作りたい、
そんなお店を作りたい、
その想いを胸に、これからも
歩きつづけます。