簡単レシピで本当に簡単に作れるようになるために

この記事でわかること

基本のパン作りの作業工程を流れでざっと見ていきます
一目でわかる工程表が下の方に出てきます

パン作りの基礎中の基礎を徹底解説するこのサイト
基礎中の基礎を知っておくことでトクすることとは

1今後どんなレシピでも怖がらず使えるようになる
基本の作り方がわかっていれば
簡単にさらっと書かれたレシピでも
ちょっと作り方を聞いただけのレシピでも
自宅でなんとなく再現する勇気ができます

2求めるレシピに一番近いものを早く見つけることができる
膨大なレシピの中から
自分が求める理想に近いパンレシピを
さっと見つけることができるようになります

3自分なりの好みのレシピをつくれます
もう少し甘い方が、もう少し塩気を強くしたい
もう少しシンプルにしたい
どこに気を付けてレシピをいじればいいのか
自分である程度判断できるようになります

近頃では
簡単パンの作り方がたくさんあります
ネットでも本でも話題になったりします
例えば
捏ねなくていいパン
夜仕込んで朝は焼きたてパンが食べられるパン
冷蔵庫でストックできて好きな時に焼きたてが食べられる
などなど
本当に簡単で美味しいパン作りがたくさんあります
すべて、もとをたどると基本中の基本
正統派の作り方があったうえで
うまれた便利な作り方です

おおもとの作り方をおさえておけば
今後また新たに簡単パンの作り方が
出てきた時にもすぐに理解して
思っていた通りの簡単レベルで
作れるようになります。

柔軟な発想力の持ち主は
新たな作り方を生み出すことになるかも

このページでは
手作りパンの基本の作業の流れをお伝えします

基本の手作りパンの作業工程

ここからは材料の準備、計量がすべて済んだあとの流れです
準備編 計量編は詳しい解説を別記事にてしております
パン作りを成功させるコツをたくさんお伝えしていますので
ぜひそちらもご覧ください

こちらはテーブルロールといった小型で
型を使わないパンの工程表です。

こちらは食パン 型にいれる大型パンの工程表です

小型パンと大型パンの違いは
ベンチタイムが20分か25分か
焼成時間が短いか長いか
で他は全く同じです。

工程表の左から右に向かって
時間が流れていきます

  1. 捏ね作業:ビーティング、1回目ニーディング、油脂いれ、二回目ニーディング
  2. 一次発酵
  3. ガス抜き分割まるめ
  4. ベンチタイム
  5. 成型
  6. 最終発酵仕上げ発酵
  7. 卵塗
  8. 焼成

ビーティング1回目ニーディング


いわゆる捏ね作業です
フードプロセッサだとあっという間
逆に捏ねすぎにご注意
手ごねのビーティングは、
粉半量に仕込み水全量を
いれてドロドロにかき混ぜる方法のこと
こちらはグルテンを早く作るコツ
という記事で詳しい解説をしております

ニーディングはまさに捏ねる作業
捏ね方については無駄に疲れず早く捏ねられるコツを
捏ね方 押し伸ばし 記事で
写真と図で詳しく解説しています
ぜひ参照してください

粉類と水分をしっかりまぜて捏ね
一まとまりになって
べたつきもなくなった頃に

油脂入れ


これは入れたくなければ入れなくてもいいです
が油脂を入れる理由としては
保水性を高める 油脂なしより乾燥しにくい生地になります
バターやオリーブオイル、ごま油で風味付けもできます
また、油分が入ることで生地が柔らかくなり捏ねやすくもなります

2回目ニーディング


油脂を混ぜたら、さらにしっかり捏ねます
こちらについては
グルテン膜チェック の記事で
「しっかり捏ねる」の出来上がりが
どの程度なのか詳しい解説を
写真付きしています

一次発酵

よい生地に捏ねあがったら
パンを膨らませて気泡を作ります
この気泡がふわふわパンのキモです
一次発酵のやり方や上手く発酵が
できているかの見極めについては
一次発酵の確実な見きわめ方という記事で
詳しい解説をしています

ガス抜き・分割・まるめ

一次発酵でふんわりと生地が膨らんだら
一度ガス抜きをします
パン屋さんではパンチなんて言ったりもします
パンチといっても本当にパンチはしません
やさしく一次発酵の容器からはがしつつ
綺麗に生地をピンと張った状態で
取りだします
このガス抜きと取り出し方は
ガス抜き・分割・まるめの記事で詳しく解説

ベンチタイム

一次発酵で膨らんだ生地を
ガス抜きして丸めなおすことで
また縮めました

縮み切った生地は固いゴム風船のようになり
伸ばしたくてもすぐに縮んでしまったり
そのままでは成型ができない状態です

一次発酵で膨らまして気泡をつくり
ガス抜きで気泡をつぶし
ベンチタイムでまた膨らんで
成型するときにまた気泡がつぶれ
最終発酵でまた気泡をつくる

このながれ、チョコレートのテンパリングに
似ているなといつも思います。
テンパリングもチョコレートのきめを
整え、くちどけのよいものにするために
行いますがパンも同じです

一次発酵で膨らんだ時は
気泡が自由気ままに大きいもの
小さいもの、と大きさがそろっていなくて、
その後の作業で
何度もつぶしては膨らましていくうちに
気泡が整ってきます。
この整った気泡こそが、焼きあがった
パン生地のきめ細かさにつながってきます
きめが整って、ビロードのようにやわらかくて
滑らかな口あたりのパンになります

逆に気泡をあえて残したいバゲットですと
あまり生地を触らないように注意したりします

こぼれ話

なんでベンチタイムっていうの?
準備編や計量編、工程表を見てもらってわかるように
ここまで休みなしで作業があります。
一次発酵の30分の間は
使ったものを洗って片づけたり
ベンチタイム後に必要なものを
整えたりとやることがありますが
この20分だけはやることがないので
パン屋さんがようやくベンチに腰掛けて
休憩をとることができるのです。
とはいっても実際のパン屋さんでは
他のパンの作業が追いかけてくるので
ベンチタイムにベンチに座っていることは
まずありませんが

成型

ベンチタイムでほどよく緩んだ生地を
好みの形に成型していきます
麺棒を使うこともあれば
道具は使わないことも
ここで形作ったらあとは仕上げ発酵です
仕上げ発酵後は絶対パン生地に触らず
オーブンに入れたいので
修正するなら仕上げ発酵前に

仕上げ発酵

最終発酵ともいいます
ベンチタイムで程よく緩んで
成型することでまたガスが抜けて
最後にまた気泡を作るために
パン生地を膨らませます

仕上げ発酵中に大事なオーブンの予熱
ーオーブン余熱は最高温度で!ー

オーブンの予熱タイミングに注意
仕上げ発酵が終わるころに
オーブンの予熱もできていることが大事です
予熱に時間がかかるオーブンで
仕上げ発酵が20分程度のパンだったら
成型のころから予熱スタートするくらい
でもいいかもしれません

仕上げ発酵が長くなりすぎると
イーストが力尽きてオーブンの中では
膨らんでくれないなんてことになります
そうするとカチっとしたパンになります
くれぐれも予熱を忘れないように

オーブン余熱のコツ なぜ最高温度で?

パンやクッキーをレシピ通り作って、
書いてある温度で焼いたのに
なんか写真より白っぽい
仕方がないから追加で焼いたら
ぱさぱさしてしまった・・・
なんてことありませんか?
オーブンは意外と表示温度と実際の温度が
微妙に違っていたり
火力の強い弱いなど個性もありますが
一番怖いのは
予熱に時間がかかることと
蓋を開けると一気に温度が下がること
一気に10度くらい下がります
特に電子レンジのオーブンは予熱が
ガスオーブンより時間がかかります
10度上げるのに5分10分かかります
ということは、180度で10分から15分焼く
テーブルロール
180度で予熱して
パン生地を入れるためにオーブンを開けて
170度、いれるのにもたついたらもっと下がり
そこから10分15分とタイマーセットすると
10分しか焼かない場合170度で10分焼いたことになり
15分で焼く場合も170度で10分180度で5分焼いた
ということになっています
これが、白っぽさの原因です
意外とこんなちょっとしたことで仕上がりの
満足度がぐんとアップします

卵を塗る

理由はつやを出すため

「照りたま」(てりたま)
「塗りたま」(ぬりたま)
「照卵」(しょうらん)
色々と言い方がありますが
つやを出すために生地に卵を塗ることです
ここでは卵の代わりに牛乳だったり
油を塗ったりすることもあります
またあえて何も塗らず
粉をふりかけることも
どんなパンに仕上げたいかで
かわってきます。
自由にしていいところです
レシピに卵をぬると書いてあっても
つやつやさせたくなければ塗らないでOK
卵アレルギーだけどつやが欲しいなら牛乳を塗る
など

もう一つのコツ
卵を塗った後すぐオーブンにいれず
少しだけ乾燥するとさらによいツヤ、焼き色になります

焼成

オーブンなどで焼き上げる作業
電子レンジのオーブン機能
ガスオーブン
石窯
フライパン
ダッチオーブン
魚焼きグリル
トースター
色んな方法がありますが
とにかくパン生地に熱を加え
火を通ししっかり焼き上げます
生の小麦粉は人間は消化できません
おなかがこわれてしまいます
生焼け注意の理由です

最後に 焼成後に気を付けたいこと

焼きあがったパンは早めに木のまな板の上か
ケーキクーラーのようなものの上に
いつまでも天板の上や
通気性の悪いものの上にいると
パンの底がジットリとしてしまいます

焼きたてが一番おいしい
そこを楽しめるのはパン屋が徒歩数分圏内にある人か
自分で焼く人だけ
ですが、しっかり時間をかけて作ったパンは
意外と1日置いた方がおいしかったりするものです
そのあたりは好みもありますので
一概にはいえませんが
ただ、焼きたてのパンの香りや
ふんわり具合、しっとり具合は
やはり一期一会、その時しか楽しめないものだなと
思います

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